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黄金の果実“カリカ”で秋彩スイーツをつくる

南米チリの大自然が育む、まったく新しいフルーツの『カリカ』。 これまでにない鮮やかな黄金色と独特の弾力ある食感が特徴で、スイーツだけでなく肉料理との相性もよいため、多くのパティシエや料理人から注目を集めている。 今回は、フルーツ使いに定評のあるパティシエ、中川二郎さんに『カリカ』を使った秋向けのスイーツをご紹介いただく。

黄金色と独特の食感を生かす

南米のフルーツは個性的なものが多く、以前から興味はありますが、カリカはその中でも新鮮なおいしさがありますね。
鮮やかな黄金色が印象的ですし、食感がとてもいい。洋ナシや白桃とも異なる、独特な食感を生かすことがポイントになると思います。

味はどちらかというと繊細なので、あまり個性の強い味つけをするよりは、そっと香りを忍ばせてアクセントにするのがいいように感じました。
今回は、カリカの果肉と果汁をピュレにしてからクレームにし、その中にカリカと洋ナシ、アボカドを混ぜ合わせたジュリフィエを埋め込みました。
パートサブレとビスキュイも加え、食感のアクセントをつけています。

ジュリフィエは、さっくり感のある洋ナシと、とろっとしたアボカドを組み合わせることで、カリカのコリコリとした食感が際立つようにしました。
また、クレームに加えたシャルトリューズや、ビスキュイのシナモンが、香りのアクセントとしてエキゾチックなイメージをふくらませてくれると思います。

今回は秋らしいイメージのスイーツにしてみましたが、パッションなどの南国系のフルーツとの相性もいいので、トロピカルなイメージに仕立ててもいいでしょう。
まったく新しいフルーツなので、創作意欲がかき立てられますね。

CARIOR(カリオール)

材料
A:パートサブレショコラ
  バター 200g
  粉糖 80g
  卵黄 20g
  バニラシュガー 1g
  薄力粉 80g
  ココア 10g
  アーモンドプードル 20g

B:ビスキュイショコラ
   サン ファリーヌ カネル
   卵白 100g
   砂糖 600g
   卵黄 60g
   ミルクチョコレート 30g
   アーモンドオイル 30g
   シナモン 0.2g

C:ジュリフィエ・ドゥ・
   カリカ・エ・ポワール
  カリカ 40g
  アボカド 40g
  洋ナシ 40g
  カリカのシロップ 200ml
  寒天 2g
  バニラビーンズ 1/3さや

D:クレーム・カリカ
  カリカ 200g
  カリカのシロップ 280g
  グラニュー糖 60g
  卵黄 120g
  バニラビーンズ 1/2さや
  ゼラチン 10ml
  生クリーム 350ml
  シャルトリューズ 10ml
  カリカ 適量
  クーベルチュール 適量
  ナパージュ 適量
  セルフイユ 適量

作り方
【A】
@バターと粉糖、バニラシュガーをすり混ぜ、さらに卵黄を加え混ぜる。
A薄力粉、ココア、アーモンドプードルを軽く混ぜ合わせる。
B2oの厚さにのばし、180℃のオーブンで15分間焼く。
C直径15cmのセルクルで丸く抜く。

【B】
@卵白と砂糖を合わせ混ぜ、メレンゲをつくる。卵黄を加え混ぜる。
Aミルクチョコレートとアーモンドオイルを湯煎にかけて溶かし、シナモンを加え混ぜる。
B@にAを加え混ぜ、鉄板に薄くのばして、180℃のオーブンで20分間焼く。
C3.5p角に切り出しておく。

【C】
@カリカ、洋ナシ、アボカドを5o角に切りそろえる。バニラビーンズを加えたカリカのシロップでマリネしておく。
Aカリカのシロップでふやかした寒天を85℃まで熱し、粗熱が取れるまで冷ます。
B@を加え混ぜ、ラップフィルムを張ったトレイに流し入れる。急速冷凍庫で冷やし固める。3.5p角に切り出しておく。

【D】
@カリカの実とシロップをミキサーにかけてピュレ状にする。
Aグラニュー糖と卵黄をすり混ぜ、バニラビーンズを加え混ぜる。
B@とAを混ぜ合わせ、85℃まで加熱する。カリカのシロップでふやかしたゼラチンとシャルトリューズを加え混ぜ、30℃まで下げる。
Cホイップした生クリームを加え、よく混ぜ合わせる。

【組み立て】
@チョコレートスプレーで葉の模様をつけたフィルムをセルクルの内側に巻き、Dを半分まで入れる。セルクルの内側にクリームを貼り付けるようにする。
A中央に、B、C、Bの順に重ね、Dをすき間なく埋める。
BAをしっかり貼り付ける。
C裏返し、表面にカリカのシロップを使ったナパージュを塗る。カリカと、アーモンド型に抜いたクーベルチュール、セルフイユを飾る。